
順調な小学校の転校生生活でしたが、
カルチャーショックがなかったわけではありません。
その転校先の小学校は、隣に山を切り開いて高校ができるまで、
野生の馬がいるのが見えるくらい、自然豊かな土地でした。
(県庁所在地です。念のため。)
近くには、ウシガエルの鳴き声と思しき、ものすごく大きな声の
大合唱が聞こえてくる川もありました。
実際に、「野生のメダカはどんなところにいるか調べよう」という
理科の宿題で、友達(大農家の娘・Mちゃん)と一緒に探したときには、
見たこともないくらいの大きさのオタマジャクシに、
しかも、中途半端に足が生えている、という衝撃的な姿をした生物が
うようよしている川をのぞくことになったり、
気持ち悪い程巨大な、ぶつぶつのカエルが何匹もいる川を
目の当たりにした時には、やはり相当ひるみまくりました。

そして春だというのに、一面、やけに茶色っぽい広大な草むらは、
よく見ると毛虫がびっしり(!!!)の草むらだったこともありました。
「Mちゃん、大変!これ、毛虫だよ~!」とあわてる私に、
サンダル履きで、しかもミニスカートのMちゃんは言いました。
「大丈夫、大丈夫。こんなの慣れっこ。そこで待ってて」と。
素足にサンダル履きで、ずんずん進んでいくその姿には、
「さすが、、、。」としか言いようがありませんでした。
「都会っ子」と呼ばれないように、子供ながらにいろいろ
気を使っていたのですが、やはり、「都会っ子」と
認めざるを得ない出来事でした。

このMちゃんは、地元の大きな農家の娘さんでした。
後々、授業の一環として、クラスの全員で畑やハウスを
見学させていただきました。
広々とした家のなかで、みんなでお茶をいただきながら
農家のお仕事の話を聞き、そしてトマト・きゅうりなどの
おみやげをいただいて帰った、というそんな楽しい思い出もあります。
地方ならではの体験です。
ほかにも、学校の中に小さな田んぼを作って田植えをし、
鎌を使って収穫。脱穀してお米を炊き、おにぎりにしてみんなで食べたり、
雪が積もったときには、小学校の裏山で、農作業用の丈夫な袋をつかって、
そり遊びをしたり、地方の小学校だからこそできる体験を
沢山させてもらいました。本当にいい思い出です。

ちなみに私が老後、住みたいなと思っているのは、この土地です。
さて、今回で一応、小学校の転校話はひと段落としたいと思います。
思い出話にお付き合い頂き、ありがとうございました。
